紘子達を探すのに、そう時間は掛からなかった。
未来ちゃんがはしゃいでいなければ、簡単に見付からなかっただろう。
服を見ては話し掛けているようだが、紘子はどこか心ここに在らずに感じられた。
「と言うか、アイツめっちゃ警戒してね?」
確かに、涼の言う通りだと思う。
今の紘子は体がガチガチで、早く帰りたいオーラが出ている。
帽子を目深に被りつつ、私は紘子の様子を窺(うかが)い続ける。
やがて彼女達は、近くのカフェへ入っていった。
「チャンスだよ!庄司、行こう!」
「うむ。レッツゴー!」
やけにテンションが高い。
だが、自分で止めることはできない。
私たちもカフェの中に入り、紘子たちの声が聞こえる所に座った。
ラッキーな事に、観葉植物が上手い具合に私たちの姿を隠してくれていた。


