そこで電話は切れた。 携帯電話をポケットにしまい、ビルを見つめる。 端から見れば、少し怪しい人かもしれない。 だけど、そんなの気にしていられない。 「やあやあ、来たよー!」 後ろから肩を叩かれた。 振り向くと、電話を掛けた奴が笑顔で立っていた。 「えらい早かったじゃん」 「まあね。本買う用事があったから」 そう言って奴――涼は、本屋のビニール袋を持ち上げた。 「なるほどね!じゃあ、行こうか」 「おう!」 そうして私達は、ビルの中へ入っていった。