人が落ちていた。
正確には、人だったモノ。
首は変な方向に折れ曲がり、虚ろな眼孔がこちらを見ている。
そして、その手には何故か切り離された誰かの腕が握られていた。
倒れているところを中心に血が広がっていき――
「う、うぎゃああああああっ!!」
私達三人の叫び声が、階段に響き渡った。
何で!?
何で落ちてきた!?
吹き抜け部分が、赤く染まっていく。
すぐにバタバタと走る音が後ろから聞こえてきた。
「どうしたっ!?」
ちょうど下校するだったところらしい、先生が駆け付けてきた。
紘子が顔を真っ青にしながら、階段を指差す。
先生もそれを見るなり、顔をサッと青くした。
「ほ、他の先生を呼んでくる!君達は、け、警察に……」
それだけ言い残すと、先生は東階段の方へ走っていった。
厄介なことになった。
そう思いつつ、誰もこの場から動けなかった。


