話を遮るなと言わんばかりに見てくる。
ハイハイ、黙りますよ。

「それで、東先生は普通に怒鳴る人だった」

「さすが体育の先生って感じだね!」

「まあね。鎌掛けたら、顔真っ赤にしてもっと怒鳴られた」

「頭に血がのぼりやすいタイプか」

「まぁ、そんな感じ」

果たしてこの行動に意味があるのか。
私には全く意味を見出だすことができない。

「正直西川先生とか、どうやって怒らせたらいいのか分かんないよな」

「保健室荒らせばいいんじゃないかな?」

「あぁ、その手があったか!」

ポンと手を叩き、感心したように頷く廉。
高校生にもなって、何をしているんだろうね。

「もう何がしたいんだか、よく分かんない……」

「奇遇だね。オレもだよ」

他人事なのに、何故か少し頭痛がした。