「で、どうなの?」
「誰にも言ってませんふざけてごめんなさい」
「分かればよろしい」
そう言って、彼は笑顔になって手を離した。
何でこうも下に見られるんだ。
チラリと紘子達を横目で見るも、彼女達は洋介先生と楽しそうに談笑していた。
「それで、作業の方はいかがですの?」
手首をブラブラ振りながら、廉に尋ねる。
彼はニッコリ微笑んだまま答えた。
「順調、快調、絶好調!!……と言いたいところだけど、微妙なんだよなあ」
キュッと彼の眉が寄る。
口を尖らせ、言葉を紡ぐ。
「一応、北村先生と東先生には怒られてきた。もう嫌だ。怖すぎる」
「どんな感じ?」
「北村先生は、藤原先生みたいに問答法喰らわせてくるんだよ。事件の事を絡ませて訊いても、その体制一切崩さないのな」
「まさに鉄壁」
「うるさいよ」


