くそっ!
こいつには鉄拳制裁を喰らわせないとダメなようだ。
待ってろ、廉――
「ハイハイ、落ち着いてー」
「……」
いとも簡単に止められてしまった。
しかも両手首を捕まれた。
やはり、こいつも男子だった。力じゃ勝てない。
「そう言えば、あの事誰にも言ってないよね?」
「あの事?」
やたらと真剣な顔で聞いてくる。
少し気圧されながらも、何の話か思い出す。
アレか、先生に怒られてこいって話か。
正直に答えるのも癪なので、少しふざけてみることにした。
「どうだったかな?もしかしたら、ひょいと口が滑って言っちゃったかも!」
「……」
ごめんなさい嘘です冗談です。
だからその手に力入れんの止めて。
地味に痛いから。


