思い出したのか、小さく手を叩く先生。
涼に代わり、紘子が更に追い討ちを掛ける。
「先生、それってもしかして"アカネ"って人が関係しているんじゃありませんか?」
「……!」
洋介先生の顔色が変わる。
ビンゴだ。やはり、何かある。
「まさか、ここまで嗅ぎ付けるとは思ってもいなかったよ」
先生が溜め息をつき、両手を上げる。
そして彼は少しずつ話し出した。
「三年前、うちの学校で一個の事件が起こったんだ」
「どんな?」
涼が捲し立てる。
紘子は彼を叩き、それを制した。
「松葉茜(まつば あかね)と言う女子生徒が、ある日忽然と姿を消したんだ」
「見つかっていないんですか?」


