暇人達の華麗なる迷推理




高橋さんと別れ、職員室に向かう。
話を聞くのは洋介先生。
もちろん、"あの事"に関する話だ。

「もうここまで知られちゃ隠しておけないよね」

涼の言葉に賛同する。
秘密と言うものは、墓場まで持っていくことはできない。
いつかは必ずバレてしまう。

そんなことを考え、キョロキョロしていると何かにぶつかってしまった。

「あだっ!すみませんっ!」

反射的に謝る。
何か固いものに頭をぶつけた。
ずり落ちた眼鏡を直し、前を見る。

私の前を、はしごを持ったおじさんが通りすぎていった。
格好からして、教員でもなければ用務のおじさんでもない。

おじさんはそのまま通り過ぎ、廊下の角を曲がっていった。