「ただ、この学校は何かおかしいって事が分かるよね」
高橋さんの言葉に私たちは頷いた。
おかしい。生徒の知らないところで、何やら怪しいことが起きている。
「役に立たないと思うけど……あの腕、ミイラと言うよりは死蝋(しろう)化してたんだ」
「死蝋?何ですか、それ」
聞き慣れない単語だ。
紘子が不思議そうに首を倒すと、高橋さんは少し困ったように顔を歪めた。
「鑑識の報告だからあんまり上手く説明できないんだけど……簡単に言えば、人間が蝋人形みたいになっちゃう事なんだ」
「何だって!?」
思わず声を上げる。
三人が一斉に私の事を見てきたので、即座に縮こまった。
すみません。続きをどうぞ。


