少し残念そうに、溜め息をつく。
確かに、分からないことが多すぎる。
しかし、今の時点ではここまでが限界のようだ。
「すみません……」
「うん、ここまで集められただけ十分だ」
それでも高橋さんは満足そうに微笑み、手帳を閉じた。
思わず、安堵の溜め息が出る。
「そう言えば、高橋さんの方も何か分かったと言ってましたよね?」
あぁ、そうだ。そう言えば、そんなこといってた。
紘子の問いに高橋さんは思い出したように手を叩き、再び手帳を開いた。
「そうそう。あまりいい話じゃないんだけどね……」
「何ですか?」
唾をのみ、次の言葉を待つ。
何だか凄くドキドキする。


