「藤原先生自身、アリバイはあります。しかし何と言うか、今回の件についてやたらと詳しい気が……」
「そうなの?」
「はい。俺達にこの四人の先生に話を聞いてこいと言ったのも、藤原先生なんです」
「……」
涼、それは言っちゃダメなことだと思う。
これでは、高橋さんとの"誰にも言っちゃダメ"という約束を破棄したことを、自ら言っちゃったようなもんだ。
「まあ、とにかく、洋介先生なりにこの四人は怪しいと思っているらしいです!」
慌てて取り繕うも、あまり効果があったとは思えない。
いっそのこと、廉の事を話してしまおうか。
しかし、それは微弱ながらも私の良心が痛む。


