暇人達の華麗なる迷推理


嬉しそうに高橋さんがレコーダーを受け取る。
彼は手帳を開き、何かをメモし始めた。

「田中先生は皆から敬遠されてました。その中でも、証言を訊いてきた四人の先生は特に田中先生の事を毛嫌いしていたそうです」

黒板に書き込みながら、説明する紘子。
高橋さんはそれを律儀にも手帳に写している。
本当に真面目だなあ……

「その内、アリバイがあるのは二人。残りの二人はアリバイがありません」

「うんうん」

「それで、洋介先生なんですが……」

急に歯切れが悪くなる。
私と高橋さんは首をかしげた。

今度は涼が口を開く。