午後6時50分。
やっぱり、図書室で暇を潰してた私達は、A館の西階段に来ていた。
階段は螺旋状になっており、一階から八階まで筒抜けだ。
「自分の首を探してるんなら、一階に降りてくるよね」
と言う安直な考えで、一階で待ち伏せする事になった。
すぐ側には下駄箱。
下校する生徒から奇異の目で見られたことは、言うまでもない。
「あとちょっと!」
涼が楽しそうに言う。
見上げれば高い天井。
本当に出てくるかどうかは、定かではない。
涼は眼鏡を押し上げ、階段を凝視していた。
7時のチャイムが校舎に鳴り響く。
私達は、息を呑んだ。


