暇人達の華麗なる迷推理




次の日。土曜日。
足をガッチガチに固定した私は、顔をしかめながら登校した。

固定器具のシーネちゃんが、左足の動きを邪魔している。
でもそのお陰で、痛みは半減。
不恰好ながらも、走ることも出来る気がする。

『絶対に走っちゃダメ』

病院の先生は、念を押すように何度も言ってきた。
畜生。何度も言わなんでも分かってるって。

いつものように階段を上がり、教室のドアを開ける。
時間が早いせいか、あまり人は来ていない。

しんとした教室。
私は自分の席に座り、本を取り出した。
この空気嫌だなぁ……

教室を見渡すも、紘子も涼も来ていない。
早く来ないかな。

それに、今日はやることがたくさんあるなー。