紘子が立ち上がり、紙とボイスレコーダーを手に取る。 涼も立ち上がり、再び大きく伸びをした。 「ごめん、私パスするわ」 立ち上がった二人を見上げ、そう告げる。 何で、と言わんばかりに涼が首をかしげる。 私は何も言わず、自分の左足を指差した。 「病院行かなくちゃいけないってことか」 さすが紘子。 ちゃんと理解してくれた。 「じゃあ、洋介先生への報告は明日にしようか。やっぱり、三人で行った方が色々といいしね!」 そして、彼女は微笑んだ。 気を使ってくれたのだろうか。 ありがたや。