しばらくして。
「これで洋介先生の言っていた先生には話を全て聞いたね」
紘子がレコーダーを置き、シャーペンを手に話し出した。
彼女の前にはルーズリーフ。
今までの事を、全て紙にまとめたらしい。
「事件が起きたとき、北村先生は職員室に残っていた。洋介先生と、職員室にいた先生に聞けば、アリバイは成立する」
「ふむ……」
「同じく、南波先生も田村先生と一緒に帰っていった。職員室にあるタイムカードと、事務の先生に聞けばいい」
「ふむふむ……」
「そして、西川先生。ずっと保健室にいて、アリバイは無し。東先生も残っていたけど、アリバイは無い」
「……」
「ねぇ、なんで誰も喋んないの?」