暇人達の華麗なる迷推理


さすが文芸部顧問。
尚且つミステリーオタク。
ここまでアリバイが揃っていると、逆に怪しく感じる。

生憎、手元にメモ出来るものがない。
フリでもいいから、持ってくればよかった。

「なるほど……じゃあ、事件が起こる前は?」

「何でそんなこと訊くの?」

「参考までにです」

ここで北村先生との話が食い違えば、どちらかが嘘を吐いていると言うことになる。
まぁ、どっち道にしろ洋介先生に確認をとった方が早い気がするが。

先生は少し怪訝そうな顔をすると、おずおずと話し出した。

「帰る前は……北村先生と藤原先生と一緒に話してたかな。今度来る教育実習生が云々ってね」

「なるほど……」

話が食い違っていない。
と言うことは、恐らく本当の事だろう。

調子に乗った私は、続いて質問をぶつけた。