暇人達の華麗なる迷推理




放課後。
残るは南波先生。

「しかし、どうしたものかな……」

紘子が大きく溜め息をつく。
彼女は顔を曇らせ、机を叩いた。

「私は南波先生を知らんぞ!」

「あ、俺もだ」

涼もそれに同意する。

南波先生は二年生担当の先生だ。
彼等が知っているハズがない。

「しょうがないな、私が行ってくるよ!」

「ハァ!?」

私が立ち上がるなり、二人が目を丸くしてこちらを見てきた。
そんなに驚かないでほしいんだけど。

「だって、恵美人見知りじゃん!できるわけないよ!」

「そうだ!庄司に出来るハズがない!」

「失礼な!私だってやるときはやります!」

少なくとも、君達よりは知ってる自信があるからね!

「ってかさ、何で急にそんなこと言い出したの?」

涼が不思議そうな顔をする。
威張れることではないが、私は不敵に微笑んだ。

「だって南波先生、私の部活の顧問だから」

「……は?」

本日二度目。
二人は目を見開いたまま固まった。