納得するように頷く先生。
後ろで紘子が大袈裟に溜め息をついた。
ごめん、嘘は苦手なんだ。
「四日前もいたよ。まぁ、特に誰も来なかったけどね」
と言うことは、アリバイは無しか。
ふむふむと頷いたところで、4限が始まるチャイムが鳴る。
先生は私の足に包帯を巻き付け、パシンと手を叩いた。
「これでしばらくは大丈夫だよ。中の氷が溶けたら外してね」
「分かりました」
一つ頷き、立ち上がる。
振り返り様に紘子を見ると、彼女は真面目な顔で小さく頷いた。
どうやら、ちゃんと録れたらしい。
「ありがとうございました!」
「うん、じゃあまた後で」
彼は笑顔で手を振った。
気さくな先生だ。


