「取り敢えず、湿布よりは氷で冷やした方がいいかも。今持ってくるね」
先生はにっこりと微笑むと、席を立った。
そして、備え付けの小さな冷蔵庫に向かう。
「それにしても、どうしたの?」
「体育の時間に、バスケやってて転んだんです」
私の代わりに付き添いで来てた紘子が答える。
保健室の先生とはいえ、先生に変わりない。
人見知り発動。
先生怖い。
「恵美……アンタがこんな調子じゃ、何にも聞き出せないじゃん」
紘子が耳打ちする。
そうだ、事件の時の事訊かなきゃ。
先生は氷水の入った袋を持って戻ってきた。
それを、直接足に付ける。


