時が経ち、体育の時間。
体育館でバスケである。
「くそぅ……」
朝言われたことが、何となく気に障る。
私は床に座り、ゲームを見ていた。
紘子がいる１班と２班の試合だ。
バスケ経験者である紘子は、遠くで見ている私でさえ分かるくらい生き生きとしていた。
そして、動きに無駄がない。
味方からボールをもらい、その場でシュート。
ボールは吸い込まれるようにして、リングの中に入った。
「新井ちゃんカッコイイ!!」
「ホントイケメンだよねー！」
外野から黄色い声が上がる。
「いつも思う」
仲間とハイタッチをする紘子を見ながら、ボソリと呟く。
私の声に友達が反応し、こちらを向いた。
