私は自分の席に戻り、カバンの中を漁った。
確か、どこかにあるはず。
「……あった」
黒い愛用品。
私はそれを持つと、紘子の席にいる涼に渡した。
「何コレ?」
「ボイスレコーダー」
「お前も持ってたのか」
「うん!」
涼は私のボイスレコーダーを受け取り、もう一方を紘子に返した。
少し不思議そうな顔をする紘子。
そんな彼女に向かって、涼はにっこり笑った。
「新井は怪我しないかもしれないけど、庄司が怪我するかもしれないじゃん」
「なるほど……」
「そうして保健室に行ったとき、コレ無いと面倒だろ?」
「確かに……恵美だったら転びそうだしね」
「おっちょこちょいだし」
本人を前にして、いくらなんでもそれは失礼だろう。


