愛する人へ





クリスマスデートだけどお金のない高校生のあたし達は、普段と変わらないデート。


動物園と遊園地がくっついたココは、大したアトラクションがある訳ではない。


でも、観覧車だけは県内最大らしい。


一通り園内を巡って、ラストは観覧車に乗るのがお決まり。


携帯で時間を確認すると、既に16時。


冬の16時は日がほとんど沈み掛けてて薄暗いし、とにかく寒い。


観覧車乗り場に並んで自分達の順番を待っていると、ナオトはあたしの後ろからあたしを包むように抱きしめた。



「・・・少しは暖かいっしょ」



「うん・・・あったかい。ありがとう、ナオト」



「なんかさ、いつも思うんだけど、こうしてサリー抱きしめると・・・
サリーって女の子だなぁ〜って。」



「なにそれ〜女の子ですよ、あたしは。」



「ちっがう、ちょっとニュアンス違くて・・・なんて言うか・・・
サリーが壊れ物みたいに錯覚しちゃうっていうか・・・大事にしなきゃなぁって思うって言うか・・・」



「ふふふ・・・じゃぁ、もっと大事にしてもらわなきゃだね」



「当たり前じゃん!大事にしてるし、これからも大事にするよ?ずっとね・・」





‘ずっと’って言葉に異常にドキドキしてしまう。


ずっと・・・ずっと・・・ず〜っとナオトと居れたら・・・いいな。