愛する人へ







**********





そんなナオトにあたしは別れを告げにいく。






「・・・行ってきます」








このアパートで「行ってきます」を言うのは今日が最後。




高校を卒業して、一緒に住み始めたこの1LDKのアパートは今日で引き払うことになっている。



あたしの荷物とナオトの少しだけの荷物は、全部実家に送った。




ガランとした部屋を見つめ、この部屋がこんなに広かったことに驚く。




住み始めた頃は、必要最低限のシンプルな家具、家電だけが部屋の隅にあっただけ。




それが段々とあたしの好きな、女の子らしくて可愛らしい物に変わっていき、ナオトは呆れていた。





___________________
___________________




「サリー!!この部屋やたらピンクになっていってない?俺のツレ呼べないじゃん・・・」





「・・・そう?ピンクは気持ちが明るくなるからいいんだよ?どんどん友達呼んじゃっていいよぉ!」





「う・・・無理無理!!ツレになんて言われるか・・・」





「フフフっじゃぁ、今度、ここにみんな呼んで鍋パーティーでもしようね♪楽しみぃぃ!」





「サーーーーーーーリーーーーーーーー!!!」





___________________
___________________





そんなやり取りが毎日あって、とてもとても・・・幸せで。