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そんなナオトにあたしは別れを告げにいく。
「・・・行ってきます」
このアパートで「行ってきます」を言うのは今日が最後。
高校を卒業して、一緒に住み始めたこの1LDKのアパートは今日で引き払うことになっている。
あたしの荷物とナオトの少しだけの荷物は、全部実家に送った。
ガランとした部屋を見つめ、この部屋がこんなに広かったことに驚く。
住み始めた頃は、必要最低限のシンプルな家具、家電だけが部屋の隅にあっただけ。
それが段々とあたしの好きな、女の子らしくて可愛らしい物に変わっていき、ナオトは呆れていた。
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「サリー!!この部屋やたらピンクになっていってない?俺のツレ呼べないじゃん・・・」
「・・・そう?ピンクは気持ちが明るくなるからいいんだよ?どんどん友達呼んじゃっていいよぉ!」
「う・・・無理無理!!ツレになんて言われるか・・・」
「フフフっじゃぁ、今度、ここにみんな呼んで鍋パーティーでもしようね♪楽しみぃぃ!」
「サーーーーーーーリーーーーーーーー!!!」
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そんなやり取りが毎日あって、とてもとても・・・幸せで。

