愛する人へ





そこからの確かな記憶はない。



その電話の後、別経由で話を聞いたルミがあたしの家に来て、一緒に病院に向かった・・・らしい。



そのタクシーの中で何度も吐きそうになっていた・・・らしい。








そして、目の前に・・・







朝と変わらない顔のナオトが寝ていて、あたしはナオトのまだ温かい身体を必死に抱きしめた。



どこに喧嘩に巻き込まれた跡があるの?


あたしの大好きなナオトの綺麗な顔のまんまじゃない。


嘘でしょ?冗談でしょ?




「サリーさん・・・」




その声で、ナオトの周りにたくさんの人がいるという事に気付く。





「・・・ルミ。みんな・・・冗談はやめてよぉ〜!はいはい!あたしは騙されましたぁ〜って、もう!ほら、ナオトも起きて?」



「・・・リサ・・・うっ・・・うぇっ・・・」






誰も冗談だよ・・・なんて言ってくれず・・・


みんなの嗚咽やすすり泣く声だけがあたしを包んだ。