「遥人、元気ないね」



一緒に登校した女子が俺の席に来て頭を撫でている。



「…はぁ」


俺は分かり易く大きなため息をついた。


「やっぱり、鮎川さんと別れたんだ」


周りから見ればそんな風に見えるんだ…



少し自嘲気味に笑った。



「あの子ってもしかして同クラの松本君と付き合ってる?」



俺は目の前の女子の口から転校生の名前を聞き驚いた。


「えっ、何で?」


「少し前に松本君と視聴覚室で手握って見つめ合ってるのたまたま見たから」



「…」




何だよそれ…