嘘付いちゃった…



俺は知恵と目を合わせられないまま保健室を出て教室へ向かった。


「遥人」


後から呼ばれ振り返ると元カノの真由が立っていた。


「よぉ…」


「遥人もう帰るの?」


「ああ…」


「何か元気ないね。ねぇ今から遊び行かない?」


「あー…俺、彼女待ってるから。てか真由、彼氏出来たんじゃないの?」


「それがさアイツ最近、全然連絡くれないんだよね。何か私ばっかり追いかけてるみたいで悔しいじゃん。だから少し放っておこうかなぁと思って。そしたら少しは私の存在の大きさ分かるでしょ」




この時、俺は不安だったんだ。



知恵に一度も好きと言われた事がない自分に



体育のときの、あの光景に…