1時間後、女子とは別れ同じ方向の智也と歩いていた



「忘れてるかと思った」



携帯を弄りながら智也が一言呟いた



「何を?」



「鮎川知恵」



「…」



「もしかして2年間思い続けてた?」



「まさか…それは無い……
ただちゃんと謝ってない事は引っ掛かってた」



「もう、いいんじゃない、沢田と仲良くやってるみたいだし」




「…沢田ってどんな奴?」




「うーん、祐介の次ぐらいにイケメンで祐介の次に優しいかな」




真面目に答えない智也に少しイラっとした



「ふざけんなよ…」



「大丈夫だよ、鮎川には沢田が居る」



携帯を打つ手を止め智也が俺を見た




「......っっつ」


俺はそれ以上何も言えなかった



2年前の事を知っている智也の言う事は間違っていない