「空って、何色?」
空は、アオ。誰が見ても、深いターコイズブルー。
でもそれは、本当の姿?
真夜中の黒。明け方の黄金色。夕暮れの橙色。
ねぇ、空って何色?
***
耳にはめたイヤホンから、流行りの曲が流れている。
好きでもなければ、嫌いでもない。
ただ気分と、流行でダウンロードした曲。
騒がしい教室内の音を、更に騒がしいギターが掻き消していた。
すう、と開け放った窓から入ってくる風が私の頬を撫でてゆく。
ピンク色のイヤホンが、私の音を完全にシャットアウトしていた。
♪♪~♪~――――――ブチッ。
突然途切れたメロディー。それに少しだけ驚いた。
あーあ、今サビの、良いところだったのにな。
「…どうしたの、修子」