社長室を出て、給湯室へ向かった。 シュンシュンお湯を沸かしているポットを眺めながらため息をつく。 「まったく、話しが急すぎるよ・・・・。」 呟いてまた、ため息。 「そんなにため息ついてたら幸せが逃げちゃうぞ☆」 軽やかな声と共に、給湯室へ入ってきたのは唯一のお友達美香子だった。 ロングの茶髪を低い位置で縛って、黒縁メガネをかけ淡い化粧。 「美香子・・・あたし移動になっちゃった。」 「え、マジ?」 「うん、おおマジ。」 驚いた顔をした美香子をあたしも困った表情で見つめ返した。