顔はもっさりしたままなのに、異様に眼鏡が光って見えた。 「え~、ちゃんとしたよぉ~。」 なにをだ。 「もういいから、あの書類の山を片付けてください。」 「は~い。」 よっこらせと言わんばかりの動作で、椅子に座る社長。 本当、よくやってこれたなこの会社・・・。 あたしは、小さくため息をつきながら窓の外の風景を眺めた。 小さなビルから見える景色は、今までいた場所とは違ってすごく寂しかった。 「矢島くーん。判子がない。」 「はい?」