「な、なんて……っ、ははっ! やばい、恥ずかしい。は、早くけそ……っ!」

焦ってノートに×を書こうとしたら、私が書いた文字に被さるように、赤色の○印が記された。

急だった。どこから? 誰が?

もしかして……。


「本当に、叶えてくれる人が……いる、の?」


疑問の言葉を口にした瞬間、私の目の前に真っ白な世界が広がる。

それは、全てが白かった。

細長い体も、髪も、全て――。

私はそこで気付く。

目の前にいるのば人"だ。

けど私には人よりも、゙天使"に見えた。

だってあまりにも白いから。

その人の背中に羽根が生えているんじゃないかというくらい。

綺麗な天使だと、思った――。


「君は……」

「は、はひっ!」


その綺麗な天使からは想像していなかった低く、男らしい声。

私は思わず体を強張らせた。


「助けて欲しいのか?」

「え? あ……はい」


もしかして、彼があの不思議なノートの持ち主?


「なら、その願い。俺が叶えてやる」


まさか、本当にいたんだ。

しかも私の願いを叶えてくれるのが、こんな、綺麗な。

天使――の様なイケメンだなんて。

思わなかった……。