「ところで真白さん、ノートに書かれたお願いってなんですか?」
「あぁ、なんでもイケメンとデートがしたいとか」
「えっ!? そ、それで○にしたんですかっ!?」
「あぁ。断る理由もないからな」
私にはあるんです!
なんて出かけた言葉をなんとかしまった。
まてまて、私は真白さんの友達でしょ。
とにかくこんな願い事を叶えるなんて、真白さんもどうかしてるよ!
「その人に会ったんですか? 詐欺師かもしれないですよ?」
「まさか。……言っとくがな、由紀。イケメンを俺が連れて行くんだぞ?」
「分かってます! それに真白さんも……え? 真白さんは会うだけですか?」
「あぁ。何か怒るような所があったか?」
う、うわっ! 私ってば勘違いにも程がある!
けど真白さんも悪いよね!
「そ、それならそうと言ってくださいよぉ~っ!」
私がぶーっ! と頬を膨らませると、真白さんは笑って私の両頬を掴んだ。
「何に勘違いしたんだ? 由紀」
「な、なんでもないですよっ!」
「ふぅん……。俺が取られると思ったのか?」
「なっ!? そんなわけっ……!?」
「安心しろ、由紀。俺は君以外と友人になる気はないからな」
友人、だよね。
いや、分かってたよ! そうじゃなくて、真白さんが取られるとか言うからじゃない!
私は顔を赤くして立ち上がる。
「も、もう帰ります! お邪魔しました!」
「送らなくて良いのか?」
「大丈夫です!……ま、また来ますから!」
ほんのちょっと照れながら振り返ると、真白さんは嬉しそうに笑った。
「あぁ、待ってる」
その綺麗な顔で、素敵な声で言われたら、私は早く明日が来る事を祈ってしまう。
真白さんの天然!