天界魔術学校には寮があるため、学校との行き来には余り困らない。
俺はその日一人で帰っていると、激しい爆発音が学校から聞こえて、俺はすぐさま振り返った。
酷い爆発音と焼けた校舎、そして人の悲鳴。
何が起きているのか分からなかったが、今はそれ所じゃない!
早く人々を避難させないと!
俺はもうスピードで空を飛んだ。
学校に着いたが、火はまったくおさまる気がないようだった。
むしろ激しさをましていた。
「大丈夫かっ!? 落ち着いて走れ! 遠くまで火は来ていない!」
「真白君! 貴方も逃げないと!」
「俺は学校の生徒を避難させてから行く。君も早く逃げろ! この火は普通じゃない」
「わかったわ。……真白君、真白君のご両親もまだこの中にいるかも知れないわ。だから、三人無事に帰ってきてね」
「あぁ。分かった」
俺は友人を見送ってから、魔法で全身を水で濡らした。
父さんも母さんもまだ中にいるのか。
少しばかり焦る気持ちと冷静になるように頭をすっきりさせて、俺は学校の中に入った。
中は真っ赤な炎で燃え上がり、人影を探すのも一苦労だ。
息が苦しくなってくるが、全身に水を纏うようにして前へと進む。
「父さん! 母さん! 何処ですか!? 返事をしてください!」
叫んでも返ってくる気配がない。
もう一度周りをよく見てから奥へ進むと、二人の影が見えた。
「父さん! 母さんっ!」
「真白! 来るな! 此処はじきに崩れる! お前は逃げなさい!」
「そんな……っ!? 俺の魔法でなんとか防いで見せます!」
「ダメよ! この場所には魔法を封じる結界が張ってあるわ! だから魔法は効かないの! 真白、早く逃げなさい!」
父と母は必死で俺に逃げるようにと叫んでいた。
けど俺には分からなかった。
魔法を封じる結界がなぜあるのか。父と母はなぜそこから動けないのか。
