真白さんの魔法


翌日の学校に、私は目を赤くしながら教室に入った。

その瞬間朱美達に心配されたけど、大丈夫と言って誤魔化した。

けど体は正直で、私は今日一日机に突っ伏したまま過ごした。


「ゆっきー……。具合悪いの?」

「平気……なんでもないから」

「無理、しないでね?」

「うん……」


正直話すのも怠かった。

昨日の事がずっと頭の中で再生されて、ちっとも寝れなかった。

真白さんは何処から来たのかな?

前に、人間だけど此処で生まれたとは言ってなかったな。

じゃあ何処から? どうして魔法が使えるの?

なんで私は……何も知らないんだろう。

真白さんの事が気になるってだけで舞い上がって、私は真白さんの事何も知らないじゃない。


「馬鹿だなぁ……私って」


また泣きそうになって、下唇を噛んだ。

痛い、いたい、悲しい、泣きたい。

けど本当に泣きたいのは、真白さんかも知れない。


(私、真白さんになにもしてあげられないの?)


きっとあるはずだ。

真白さんにしてあげられる事が。

私はガタッ! と立ち上がり、教室を出ていった。

きっとあるはず。

真白さんが私を変えてくれたように、私も真白さんを変えられるはず!

根拠なんかないけど、当たって砕けろだ!

まぁまずは、真白さんを探さないと。


「絶対! 見つけてみせる!」


私は意気込んで、外を走った。