群青の空。
夜明けにはまだ早いが、一日を始めている者もいる。
欠伸をしながら新聞配達に勤しむ青年が上空に目をやれば、目撃したかもしれない。

流れ星のように飛ぶ、銀色の光を。


「あれか?」


「アレデス…」


慈龍寺の広大な敷地が見えてきた。

壮絶な夜に九死に一生を得、恋しい人との再会まで果たしたはずの景時は、未だ見事に凹んだままだ。

帰ったら脱走がバレて、ジジィに大目玉食らうから?
違いマスぅ。
この状況全てが、ダメでショ?
男として。