夢だ 忘れろ

ダヨネー?
俺が薫でも、そー言うわ。

夜の帳が降りた慈龍寺の本堂で、景時は一人座禅を組んでいた。

精神統一。
無心。
できるワケねぇっつーの。

心を占めるのは、あの人。

月の光を集めて創ったような人。

あれから半月ほど経つのに、記憶は鮮明だ。