甘く整った顔立ち。
赤く染めた、柔らかそうな長めの猫毛。
細く手入れされた眉。
左耳に幾つも連なるピアス。
中指にはシルバーのリング。
胸を大きく開けて、着崩した制服。

どう見てもチャラ男。
どう見ても不良。

だが、それでいい。

夜間の狩りが多いため、遅刻は当たり前。
遠方に出張ともなると欠席が続く。
その上生傷が絶えない僧たちは、学園では『素行の悪い生徒』に分類されている。
他の生徒や大半の教師は何も知らない。
知らせる必要もないため、不良枠に組み込まれるのは都合が良いとも言えるわけだ。