「快気祝いだ。」 ケガが全快し、景時が久しぶりに家に帰った日の午後、薫がコンビニ袋を提げて訪ねて来た。 自分の家であるかのように、遠慮なく踏み込んで来て、遠慮なく冷蔵庫を開け、勝手にミネラルウォーターを取り出す。 いつも通りだ。 掃除をしていた手を止めて、景時は呆れたように眉を下げた。 「チャイムくらい、鳴らそうよ。」 「文句あんなら、鍵くらいかけようか。」 この会話も、いつも通り。