奥に鎮座する釈迦牟尼像までも目を醒ましてしまうような一喝に、景時は口を噤んだ。


「オメェは鬼神様に何を言われた?
オメェは鬼神様になんて言った?
アホじゃないって、言ったンじゃねぇのか?!」


 『赤光』の大半は生まれるこ となく流される。
 生まれたとしても、直後に殺 されるか…捨てられる。


「誰がおまえを憎んでるって?
おまえは生きてンじゃねーか。」


 だが、そなたは生きておる。


目の前が霞む。
歪む。
胸に浸透していた美しい鬼の言葉が呼び水となり、秋時の言葉もまた染み込んでくる。