「コレ…
回復力、半端なくね?」


包帯を取り替えに来た薫が呟いた。

ベッドの上で上半身を起こした景時は、悲しい目で彼を見て言った。


「…スイマセン。
白衣の天使にチェンジで。」


「却下します。
てか、もう天使も包帯もいらねーから。
治ってっから。」


あんなに酷かった景時の裂傷は、初めからなかったかのように消えていた。
彼女が喰い千切ったはずの肩も、傷跡が少し残るものの、ほぼ完治している。

景時は、傷跡をそっと指でなぞった。

彼女の唇が触れた場所…


「…初期治療が万全でしたので//」


治療法を思いだし、景時は赤くなって口元を綻ばせた。