貴方の為なら何だってした。会いたいと言われれば天候時間問わず指定された場所へ向かった。腹減ったと言われれば有り合わせのもので何か作った。足を舐めろと言われれば喜んで舐めた。金が無いと言われれば急いで銀行からお金を下ろして貴方に渡した。その度に貴方は優しく微笑んで、愛を囁いて、私の事を優しく抱くの。だけどそんな事ばかりしていたら体と心がボロボロになってお金も無くなって来たわ。その事を話したら貴方、「じゃあもう良いや」って。何が良いの?体?お金?それとも私?教えて、って言う前に貴方はどこかに消えて行った。


長い期間を費やしやっとの思いで見付けた貴方は他の女と一緒にいた。許さない。憎たらしい。悔しい。怒りと悲しみにほんの少しの未練。"愛と憎しみは紙一重"とは良く言ったものと、自嘲気味に笑みが零れる。

ねぇ、私貴方の事愛してたの。これからそれを死を以て示すわ。


さんにーいちで飛び降りて地面へ向かう途中、開いたカーテンの隙間から貴方と目があった気がした。




20110925


_