ユメの家の前に着くとボクはユメに電話をした。

トゥルルルル……。

ガチャッ。

2コールでユメは出た。

「着いたぁ?」

「うん。着いたよ。ユメは準備出来た?」

「もうとっくに出来てるよ♪今行くね。」

ガチャッ。ツーツー…。

《相変わらず一方的な切り方だな…。》

ユメはいつもこんな感じに電話を切る。
ユメの性格上、これが普通であり、そんなサッパリした所がボクも好きだった。
約30秒後、玄関から私服姿のユメが現れた。

たまに見る私服姿のユメはいつもの“女子高生ユメ”よりも大人っぽくてドキッとさせられる。

「ヤッホー!練習どうだったぁ?」

120点の笑顔でユメが聞いてきた。

「まぁまぁかな?それよりユメ!初ライヴでオリジナルやるんだけど、その曲の詞にお前の使いたいんだけどいい?」

ボクがそう尋ねると、ユメは目をキラキラさせて、

「本当に!?やったぁ!私頑張る!!」

と言って喜んだ。