近づいてやっと違和感の理由がわかった。


ユメの目に涙が溢れていた…

「こんな時間に何してんだよ!」と叱るつもりだったが、できなかった…


「いきなり約束破ってごめんなさい…でも…どうしても会いたくなって…」

そう弱々しく言うユメをボクは、

「とりあえず部屋に入りな。」

と笑顔で部屋に迎え入た。
部屋に入るとユメはついに泣き出した…

「ユメちゃん。いきなりどうしたんだよ?!」

と聞いたが、ユメは何も言わずただ泣いていた。
どうする事も出来なかったボクは…

「シャワー浴びてくるからちょっと待っててね!」

と風呂場に逃げた。

ユメの泣き声は風呂場にまで聞こえた。ボクはその声をかき消すかのようにいつもより強めにお湯を出した…ユメの泣き声はなぜか、ボクを苦しくさせた…

30分ほどしてシャワーを浴び終えたボクは泣き声が止んだのに気がついた。

素早く着替え風呂場を出るとそこには目を真っ赤にしたユメが立っていた。

「ごめんね…私やっぱり帰るよ…」

そう言って帰ろうとするユメの手をボクは掴んだ。

「話があったんだろ?明日は日曜日だし、話聞くよ…」