ケンは大学での最初の友達だ。

歳は一つ上だが同じ学年で、半分くらいは同じ科目を履修している。

身長が高くて顔が小さく、知り合いの女の子が羨ましがるほどのモデル体型だ。
ただ、多少ワガママで気分屋な性格なので彼女はいない。
実に惜しい逸材だ。

「お疲れ♪これからメシ食いに行かねぇ?お前今日バイト休みだろ?」

毎度お決まりのメシの誘いだった。

「またかよ…俺給料日前でお金ないから今日はパスしとくわ!」

そうボクが断ると、

「じゃあお前んちでメシ作って食おうよ!ちょっと話があんだよ~」

ケンがあまりにも情けない声を出すので、ボクは仕方なく了承した。

ボクとケンは校門の前で合流し、ボクの住むアパートに向かった。

ボクのアパートは大学を出て、桜の木が並ぶ大通りをひたすら真っ直ぐ10分ぐらい歩いたとこにある。

近くにはコンビニやら居酒屋やらスーパーやらが立ち並んでいて、商業兼住宅街といった感じだ。

外見はハッキリ言ってボロい…でも“住めば都”とはよく言ったもので住んでみると案外いいとこだ。

そんなボク自慢のアパートに着くとケンが

「パスタが食べたぁい!」

と言ったのでペペロンチーノを作って出し