ワクワクしながら待っていると、やがて侑宇がキッチンから帰って来た。
手には、紅茶のカップが3つと、おいしそうなクッキーが持たれている。
「さっきクッキー焼いたんだ。 よかったらどうぞ」
「わぁ! ありがとう」
クッキー…というか、お菓子が大好きな私は本気で両手を上げて喜びを表す。
3つのカップをテーブルに並べながら、侑宇は優しく微笑んだ。
「クッキー好きか?」
「うんっ! 侑宇はお菓子作りとか出来るんだね。 羨ましい」
私がテーブルに置かれたクッキーをしげしげと眺めながら言うと、
「簡単なものしか作れないけどな」
謙遜してか、照れくさそうにはにかみながら侑宇は頭をかいた。
謙遜なんかすることないのに。
立派な特技だし。
お菓子好きなのに私は自分で作れないしね。
「それでもすごいよ」
侑宇は、お兄ちゃん気質だから、周りを立てることばっかで、まわりの人を褒めるばっかで、自分の良さに気づいてないと思う。
侑宇だってすごくいい人なのにもったいない。
どうしてもそのことがわかってほしくて本音をそのまま侑宇にぶつけると、
「…」
侑宇は顔を真っ赤にして手の甲で顔を軽く隠してしまった。
「えっ?! なんで?!」
なんか変なこと言った?!
軽くショックです!!
何事かと慌てて侑宇の顔を覗き込むと、
侑宇は私の顔を見ずに
「あんま真っ直ぐに褒めんな…。 恥ずかしいから…///」
消え入りそうな声でそう呟いた。
侑宇は、照れていた。


