お姫様のとなり





…はい、着きました。 私の部屋。



予想通りっちゃ予想通り。



当たり前だが、ものの数秒で私の部屋の前に到着~…。



話題探してる余裕もなく、恐ろしいほどにあっさりと、自分の部屋のドアの前に立った私。



えっと…



「送ってくれてありがと」


…って言えばいいのだろうか?


こんなに送りがいのない女は初めてだろうね。


すいませんね、お隣の住人で!


意味もなくちょっぴり自虐モードに入った私は、唇を尖らせて朔夜をちらりを見やった。




…朔夜は、いまだにあの意味深な顔をしていた。



けど、その意味深な顔には、さっきまでの『笑顔』がなくて。


いや、正確に言えばさっきも本当の『笑顔』ではなかった気がするけど。



上辺だけの笑顔だとしても、どうか笑っていて欲しい。


その恐ろしいほどに整った顔で真剣に見られると、

奇妙なまでの『妖しさ』と、…『不安』を感じる。



背筋がゾクリとして、慌てて朔夜から視線を逸らした。


そのまま、引きつる頬を無理矢理に動かし、ぎこちない笑顔を作った。



「や、やだなぁ。 顔が怖いよぉ」


ふざけたように、普段の会話を意識して。



そんな、努力も虚しく明らかに動揺が滲む私に、

朔夜からの、思わぬ言葉が振りかかった。