私は、部屋の中を先生に案内してもらいながら一通り見て回り、挨拶回りに行くことにした。
私が住むことになる3階の部屋数は、私の部屋をあわせて5部屋しかないみたい。
もともと3階自体が予備のために増設されたところだから、そのうち2部屋が空き部屋らしい。
挨拶が楽でいいねまったく。
ひとり、うんうんと頷きながら、私はとなりの部屋のドアの前へ。
―――――コンコン
なるべく控えめに、ドアを叩いた。
いい人だといいなぁ…
漠然とした不安と、どんな人か楽しみなドキドキで、私の胸は高鳴る。
―――――ガチャ
…ほどなくして、叩いたドアが開かれた。
「は~い?」
中から出てくる男の人。
その声は、どことなく優しそうな雰囲気で。
よかった! いい人っぽ―――…
「あ、美風さんじゃないですか」
―――…い?
「……」
「? どうしました? 美風さん」
「あの~… つかぬことをお聞きしますが」
「はい、なんなりと」
まさか
「えっと…」
まさか
「その」
まさか?!
「…玖澄さん、ですよね」
目の前の超絶美形秀才紳士に、おそるおそる問う。
なんで?
教室でもう痛いくらいあなたの怖さはわかったよ。
なのに、まさか
まさかここでもお隣さん?


