先生が悔しそうにじだんだを踏む。
構わず笑い続ける私。
―――すると先生は、
「もぉ!!! そんなに笑わないでっ!」
突然、真っ赤な顔をぐいっと私に近づけてきた。
「…ひゃ…っ?!」
な、なに?!
急に接近した先生の顔に、思わず変な声が漏れる。
「せ、んせ…?!」
改めて近くで見ると、先生の顔はすごく整ってて、めちゃくちゃかっこいい。
そんな顔がなんの前触れもなしに間近に来たもんだから…
「へへっ 亜生ちゃんも顔真っ赤だよ~♪」
「へ…?!/// そ、そんなことないですっ!!」
そりゃ赤くもなるでしょうよぉ!!///
不意打ちとか、ずるいよ!
必死に顔を隠して言い返すけど、そんなときばっか先生は強くて。
「嘘♪ 真っ赤だよ~ん♪」
いつのまにか先生の顔の赤は引いていた。
うぅ… 悔しい…///
私の目に悔しさと恥ずかしさで涙が滲む。
そんな私の鼻をちょん、とつつき、先生は優しく微笑んだ。
「僕なんかより亜生ちゃんの方が可愛いよっ☆」
えへへ、と、先生はまた照れたように笑う。
「~~~っ!! 先生のばか!!!」
恥ずかしいことばっか言うなっ!!
「えへっ ごめんごめん、いじめすぎちゃったね」
涙目で睨みつける私の頭をぽんぽんと叩きながら、へらっと笑う華嵩先生。
また馬鹿にして~!!
そう思ってもう一度睨むと、
「でも可愛いのはホントだよ」
なんて、次はキリッとした顔で微笑んで見せる。
「…///」
そんなことされたら、私はまた喋れなくなってしまって。
顔を隠すことしかできなくなって。
そうなると華嵩先生は
「な~んてね」
って、またへらっと笑う。
…なんだかなぁ…
すごく調子狂っちゃうな
でもなぜか居心地は悪くない。
なんでかな
すごく恥ずかしくて、逃げ出したくなるのに
ずっとここにいたいな
ガラにもなくそんなこと思ってしまって、私はまた顔が熱くなる。
なんで私がこんな照れなくちゃいけないの
鼻歌を歌ってまた歩き出した華嵩先生の背中をそっと見上げながら、私は
「…ほんと、ずるいよ」
誰にも、先生にも聞こえないよう、そう小さく呟いた。


