なんで、瑠奈がここにいるんだ。

『キーボーイズは、既に此方が買収済みよ。』
「え・・・。」
『それから、この場所に無断で入っていいと思っているの?何か用があるなら、断りを入れてくれないかしら?』
入口にある手紙ボックスから自分の分を取り出して目を通しながら言い放つ、瑠奈。

「あ、用ならあります!!」
『へぇ、あんまり大きな声出さないでくれる?本物のお嬢様は冷静なのよ。』
「!!!」
ニセモノのお嬢様は叫ぶ、というレッテルを貼られた牧さんは怒りで顔を真っ赤にさせた。
『で?用って何かしら?』
「この会社に父と私は必要不可欠なはず!」
『そんな事ないわよ。』
「へ?」
っていうか、何でちゃっかり自分も入れてるんだ?


『貴方のお父さま、金勘定が荒くて使い物にならないわ。第一、貴方何一つやってないじゃない。寧ろ、来なくていいのよ?貴方。居ても意味無いんだから。今日限りでやめてもらえる?何もしてないんだし。貴方には何かを払う必要ないわよね。』
「ちょ、ちょっとそんなのあんまりじゃない?!」

髪を振り乱して叫ぶ、牧さん。